かつて「医龍」シリーズで鮮烈な印象を残し、数々の人気ドラマに出演してきた俳優・坂口憲二。2018年に特発性大腿骨頭壊死症という難病により活動休止を余儀なくされましたが、コーヒー焙煎士として新たな道を切り開き、2023年には俳優としても復帰を果たしました。本記事では、坂口憲二の俳優としての軌跡から難病との闘い、そして現在の活動まで、その魅力と挑戦の軌跡を詳しく紹介します。
坂口憲二のプロフィールと経歴
坂口憲二(さかぐち けんじ)は、1975年11月8日生まれ、東京都出身の俳優、タレント、そして現在はコーヒー焙煎士としても活躍しています。身長185cm、血液型はA型。「世界の荒鷲」と称された元プロレスラー・柔道家の坂口征二を父に持ち、本人も柔道二段の腕前を持つなど格闘技に精通しています。
学歴は世田谷区立等々力小学校、明治大学付属中野中学校・高等学校を卒業。高校卒業後は大学受験に不合格となり、父親の交流があった人物の勧めでハワイ東海インターナショナルカレッジに進学しました。ここで英会話やサーフィンを習得し、これが後の人生にも大きな影響を与えることになります。
1999年(平成11年)にファッション雑誌『MEN’S CLUB』でモデルデビューし、人気モデルとして活躍。同時期にテレビドラマ『ベストフレンド』で俳優業をスタートさせました。2002年には『精霊流し〜あなたを忘れない〜』で連続ドラマ初主演を果たし、2003年公開の『新・仁義なき戦い -謀殺-』で映画初出演を果たしています。
私生活では、2014年3月18日に一般女性と結婚し、現在は3人の子供(男児2人、女児1人)の父親でもあります。
基本情報 | 詳細 |
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名前 | 坂口 憲二(さかぐち けんじ) |
生年月日 | 1975年11月8日(49歳) |
出身地 | 東京都 |
身長 | 185cm |
血液型 | A型 |
職業 | 俳優、タレント、コーヒー焙煎士、実業家 |
所属事務所 | OFFICE BLACK TREE(2023年設立) |
家族構成 | 父:坂口征二(元プロレスラー)、兄:坂口征夫、妻:一般人、子供:3人 |
俳優としての坂口憲二の活躍
坂口憲二の俳優としてのキャリアは、1999年のドラマ『ベストフレンド』から始まりました。モデルとしての活動と並行して俳優業を開始し、その端正な顔立ちとワイルドで男らしい雰囲気が多くの視聴者を魅了しました。
2002年には『精霊流し〜あなたを忘れない〜』で連続ドラマ初主演を果たし、俳優としての地位を確立。その後も『恋ノチカラ』『天体観測』『いつもふたりで』など、数々の人気ドラマに出演し、実力派俳優として認められていきました。
坂口憲二の代表作と言えば、2006年から始まった『医龍 -Team Medical Dragon-』シリーズでしょう。天才外科医・朝田龍太郎役を演じ、陰影のくっきりした渋い演技を披露。このドラマはシリーズ化され、坂口の代表作となりました。
その他にも『プライド』『マザー&ラヴァー』『本日も晴れ。異状なし』『最後から二番目の恋』『ダブルス〜二人の刑事』など、多くの作品に出演し、幅広い役柄をこなしてきました。
映画では『機関車先生』『明日の記憶』『CHiLDREN チルドレン』などに出演。俳優としての坂口憲二は、端正な顔立ちとワイルドな雰囲気を併せ持ち、繊細かつ力強い演技で多くのファンを魅了してきました。
特発性大腿骨頭壊死症との闘い
2012年頃から体調不良に悩まされていた坂口憲二。股関節に出始めた痛みは徐々に増し、やがて歩行すらも困難な状況となりました。検査の結果、発覚した病気は特発性大腿骨頭壊死症という原因不明の難病でした。
特発性大腿骨頭壊死症とは、大腿骨の頭部(股関節のボール部分)の血流が悪くなり、骨組織が壊死してしまう病気です。国の指定難病(特定疾患)に指定されており、完治が難しい病気として知られています。
2018年3月31日、坂口憲二は特発性大腿骨頭壊死症の治療に専念するため、無期限で芸能活動を休止することを発表。所属事務所・ケイダッシュとの契約も満了となり、治療に専念する道を選びました。
病気と向き合い、受け入れるまでは時間がかかりましたが、坂口は前を向き始めます。今まで生活の中心であった俳優の仕事も減らし、これからの人生を考え直しました。
「芸能界という敷かれたレールを歩むのではなく、これからの人生は自分の手で切り開いていくような生き方をしたい。今までのキャリアで培った経験を活かして、自分にできることが必ずあるはずだ」
と新たに情熱を注げるものを探していた坂口憲二。そんな中で出会ったのが、コーヒーでした。
コーヒー焙煎士としての新たな挑戦
俳優としての活動を休止した後、セカンドキャリアの道を歩むべく、坂口憲二はコーヒー焙煎士の成澤敬介に師事し、コーヒー豆の焙煎や淹れ方などを学びました。そして、オリジナルブランド『The Rising Sun Coffee』を立ち上げます。
最初は坂口の焙煎したコーヒーはサーフィン仲間の中で口コミとして広がっていきました。コーヒーを置いてくれるサーフショップも出始め、オンラインストアでの販売もひっそりとスタート。サーフィンと結びつきのある音楽やファッションがあるように、「サーフィン × コーヒー」というカルチャーを創造しようとしていました。
2018年夏、焙煎機を新たに購入し、坂口は自身が足繁くサーフィンに訪れる九十九里に小さな焙煎所を作りました。美しい日の出を見ることができる九十九里で焙煎されるコーヒーブランドとして、The Rising Sun Coffeeと名付けられました。
2019年春には東京都内に初店舗(テイクアウト及び豆の販売のみ)をオープン。最初はあえてプロモーションもかけず、お店の住所も非公開で営業をスタートしました。まばらだったお客様もSNSと口コミで知る人ぞ知るコーヒーショップとなっていきました。
坂口が嬉しかったのは、サーファーをイメージして作ったコーヒーを地元で買い物帰りに買っていただいたお客様にも「おいしい」と喜んでもらえたことでした。自分で作ったものを自分たちで販売し、お客様からダイレクトに反応をいただけることに、この上ない喜びを感じたといいます。
2021年6月1日には、千葉県大網白里市に2号店となる「The Rising Sun Coffee Oami」を開店。同店舗ではテラス席も設け、フードメニューも提供しています。


◇GOOD MORNING COFFEE◇
The Rising Sun Coffeeの店舗では、こだわりの焙煎豆を使用した極上のコーヒーをお楽しみいただけます。
2024年3月
出典:The Rising Sun Coffee 公式サイト(https://www.therisingsuncoffee.com/)
2020年2月にはHARIO製品のモバイルコーヒーミル・”モバイルミルスティック”のアンバサダーに就任。2021年10月には同ブランドのアウトドア用コーヒーブランドZebrang(ゼブラン)の公式アンバサダーにも就任し、コーヒー業界での活動の幅を広げています。
芸能界への感動の復帰
2023年(令和5年)3月、坂口憲二はサントリー生ビールの新CMに出演し、芸能界への復帰の兆しを見せました。そして同年5月、フジテレビ開局65周年特別企画テレビドラマ『風間公親-教場0-』に俳優として9年ぶりに出演。第5話からの登場でしたが、ファンからは大きな反響がありました。
2023年9月12日には、俳優活動のための個人事務所「OFFICE BLACK TREE(オフィスブラックツリー)」を設立したことを報告。本格的な俳優復帰への道筋を整えました。
2025年3月には、フジテレビ系ドラマ『最後から二番目の恋』で11年ぶりの連続ドラマレギュラー出演を果たし、大きな話題となりました。特発性大腿骨頭壊死症という難病を抱えながらも、俳優としての活動を再開した坂口憲二の姿に、多くのファンが感動と喜びの声を上げています。
復帰後の坂口憲二について、あるメディアは「11年前より男前になっている」「年を重ねて渋みが増した」などと評し、49歳となった現在も変わらぬ魅力で視聴者を魅了しています。
坂口憲二の現在の活動と今後の展望
現在の坂口憲二は、俳優業とコーヒー事業の両立を図っています。特発性大腿骨頭壊死症は完治する病気ではありませんが、筋力トレーニングやストレッチなどの運動療法を日常的に行いながら、活動を続けています。
The Rising Sun Coffeeは順調に成長を続け、千葉県大網白里市、東京都、神奈川県に店舗を展開。オンラインストアも充実し、多くのコーヒー愛好家から支持を得ています。2024年にはポイントサービスも開始し、ビジネスとしても着実に発展しています。
俳優としては、2023年の復帰以降、着実に活動の幅を広げています。2025年の『最後から二番目の恋』での11年ぶりの連続ドラマレギュラー出演は大きな話題となり、坂口憲二の俳優としての復活を印象づけました。
坂口憲二は難病との闘いを経て、次のように語っています:
「病気になって初めて気づいたことがたくさんあります。健康であることのありがたさ、家族の大切さ、そして自分の人生は自分で切り開いていくものだということ。これからも俳優として、コーヒー焙煎士として、自分にできることを精一杯やっていきたいと思います。」
今後の坂口憲二の活動に注目が集まる中、ファンからは「無理せず長く活動してほしい」「両方の仕事を楽しんでほしい」という声が多く寄せられています。難病を乗り越え、新たな挑戦を続ける坂口憲二の姿は、多くの人に勇気と希望を与えています。
まとめ:坂口憲二の魅力と人生哲学
坂口憲二は俳優として数々の名作に出演し、その端正な顔立ちとワイルドな雰囲気、そして繊細かつ力強い演技で多くのファンを魅了してきました。特発性大腿骨頭壊死症という難病に直面しても、決して諦めることなく、コーヒー焙煎士という新たな道を切り開き、そして俳優としても復帰を果たしました。
彼の人生哲学は「自分の人生は自分で切り開いていく」というものです。敷かれたレールを歩むのではなく、自分の手で新たな道を切り開く姿勢は、多くの人に勇気と希望を与えています。
坂口憲二の魅力は、その端正な顔立ちや演技力だけではなく、困難に立ち向かう強さと新たな挑戦への姿勢にあるのかもしれません。これからも俳優として、コーヒー焙煎士として、坂口憲二の活躍に注目していきたいと思います。
最後に、坂口憲二の言葉を紹介して締めくくりたいと思います:
「人生には予期せぬ出来事が起こります。でも、それをどう受け止め、どう乗り越えていくかが大切なんだと思います。僕はこれからも、自分にできることを精一杯やっていきたいと思います。」
坂口憲二の今後の活躍に、ますます期待が高まります。
【参考サイト】
- The Rising Sun Coffee 公式サイト:https://www.therisingsuncoffee.com/
- The Rising Sun Coffee HISTORY:https://www.therisingsuncoffee.com/pages/history
- 坂口憲二 Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/坂口憲二